河野談話から20年 石原元官房副長官発言 ‐宮澤・河野の尻拭いをさせられる日本人・日系人‐
(グレンデール市内に設置された慰安婦像 msn産経ニュースより)
従軍慰安婦「問題」における諸悪の根源、河野談話が発表されてから20年を迎えた8月4日、地元の県紙・新潟日報に当時官房副長官だった石原信雄氏のインタビューが掲載された。ネットで検索したところ、全く同じ内容が同日付西日本新聞にも掲載されているので、これは共同通信の配信によるものだと断定できる。
以下、その内容を記す。
-政府として、どのような調査をしたのか。
「国の各機関のほか、地方公共団体の公文書、米国の公文書館の文書も調べた。輸送協力や衛生管理など、慰安婦の存在を前提としたいろいろな文書が出てきたが、強制性を直接裏付ける資料は見つからなかった」
-にもかかわらず、強制を認めた理由は。
「最終的に、宮沢喜一首相や河野官房長官の判断で、慰安婦とされた人たち本人の話を聞いた。業者による募集の過程で、朝鮮総督府の警察官が間に入って応募を強制したり、普通の労働者として軍需工場に勤務させるとだましたりしたケースがあった。総じて、本人の意に反する形で慰安婦にされた人がいることは否定できない、という判断になった」
-河野談話には、さまざまな批判があり、見直しを求める声もある。
「資料によらず当事者の話を基に認定した手法が間違いだとの批判は当時からある。この問題は日本政府側から見るか、慰安婦側から見るかで様相が異なる。河野談話のポイントは慰安婦の側から見たという点だ。彼女たちからすれば、明らかに意に反する形で慰安婦にされた人がいるということ。未来志向の日韓関係を築くため、韓国側も納得する形で決着させたいとの気持ちもあった」
「せっかく誠心誠意謝罪したのに、それが間違いだったという議論になると、収まった話がまた蒸し返される。当時の韓国政府も、河野談話で一応の区切りを付けたという認識だった。宮沢内閣で苦労して結論を出したことを、単純に否定しても前には進まない」
-元慰安婦に償い金を支給した「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)の評価は。
「賠償については日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決され、取り上げる余地がないので、国民の協力をいただき、善意の見舞金を差し上げようとした。首相のおわびの手紙も届けた。フィリピンやオランダなどでは役割を果たしたが、いちばん念頭にあった韓国では受け取り拒否があり、不完全な形で終わった。非常に残念だ」
-安倍晋三首相の対応をどう見るか。
「首相になってから、この問題を慎重に扱っておられる。首相は国益を背負っており、自分の歴史観や政治信条そのままでいくわけではない」
こうした石原氏が語る当時の事実は、本ブログの記事「「河野談話」を乗り越えて 従軍慰安婦「問題」の根本的解決に向けて Part 2 ‐「捏造」朝日と「反日」宏池会‐」で既に指摘したことであり、特に目新しい事実はない。
改めて事実を明確にさせていただくと、当時最大限の努力を尽くし、「慰安婦の側から見」て従軍慰安婦の存在を証明すべく日本政府が総力を挙げて調査したものの、結局、「強制性を直接裏付ける資料は見つからなかった」ということだ。
にも拘らず、「宮澤喜一首相や河野官房長官の判断で」、「強制連行」という存在しない事実を韓国の国益に沿って認めた。それが歴史的事実だ。
政府がなすべきであったことは、日本側の調査では「強制連行」が存在したということは確認できなかった、と韓国に伝えることだけだった。ところが当時の、そしてそれに続いた無能な内閣は、アジア女性基金などという訳の分からないものを設立し、あたかも日本に後ろ暗いところがあるかのような対応をした。
そのような行為が、どれほど国際的に日本の将来に悪影響を及ぼすかを考えることなく、その場しのぎで韓国の要求に唯々諾々と従った、宮澤喜一首相、河野洋平官房長官を始めとするバカな政治家の行動は全くもって理解不能だ。
そうした連中に加え、河野談話発表当時、事務方のトップ官房副長官だった石原氏がいまだに、「せっかく誠心誠意謝罪したのに、それが間違いだったという議論になると、収まった話がまた蒸し返される」という愚かな発言をするとは、保身だとしか考えられない。
同氏が言うように、従軍慰安婦「問題」が「収まった話」なのであれば、百歩譲ってその主張も多少は理解できる。それでも、事実に基づかない謝罪を主権国家が行うことは十分異常ではあるが。
ところが河野談話発表以降も、韓国は何度でもそれを蒸し返し、全く区切りなどついていない。そうした状況にも関わらず、「(河野談話を)単純に否定しても前には進まない」と石原氏は述べるが、そもそも同談話によって事態が「前に進まない」というのが事実だろう。
というのも、当時、韓国の主張は根拠なしと明確に否定しておけば、その後の韓国による不当な主張に対して、「証拠を明確にせよ」と反論することもできた。もっとも、韓国は百年一日の如く、慰安婦(だったとされる人々)による証言が何よりの証拠だとの主張を続けているので話にならないが。
また石原氏はアジア女性基金について、「いちばん念頭にあった韓国では受け取り拒否があり、不完全な形で終わった。非常に残念だ」としているが、事前に韓国側とすり合わせも行わずそのような基金を設立したのだろうか。もしそうだとすれば「無能」の誹りを免れない。そうではなくて、一度は合意したにも関わらず、韓国側が受け取り拒否に転じたのだとすれば、その点を明確にすればよい。何かそうはできない理由があるのか。
いずれにせよ上記インタビューにおける石原氏の主張は、自身、そして宮澤内閣の愚策を正当化しようとするばかりか、安倍首相の行動をも縛ろうとしている。盗人猛々しいと言おうか何と言おうか。その無責任さは、国益を害しても何ら恥じることのない、「悪官僚」による典型的な責任回避だ。
韓国に関する考え方として本ブログでは度々述べているが、ゆすり屋に一度金を渡せば、次は金を渡したことをもってまたゆすられる。そしてそのゆすりには終わりがない。朝鮮進駐軍に代表される韓国・朝鮮人の無法さを戦後数十年で十分理解していたはずの日本政府が、何故、従軍慰安婦(だけではないが)という「因縁」を、正論によって打ち払うことができなかったのか理解できない。
そのように考えれば、宮澤喜一氏、河野洋平氏が、主観的判断に基づいて行った行為は、そしてそれをサポートした石原氏の行動は、過去、現在、そして未来を生きる日本人に対する大罪だと断じざるを得ない。
河野談話は、欧米各国政府、及びその地方政府、そしてNY Timesなどの海外メディアが日本を批判するための「根拠」となっている。低能な政治家は、その場限りで韓国側の顔を立てれば全てが解決すると考えたのかもしれない。しかし国際社会では、一度罪を認めた以上、それが全ての基準となる。宮澤氏はサンフランシスコ講和条約にも参加した「国際派」と言われていたが、所詮自分の在任中の争いを好まない官僚であり、未来の日本を見通す能力などない三流政治家であった。
そうした誤った決断により、今や世界における従軍慰安婦「問題」は、韓国系アメリカ人を中心としたロビー活動によって、もはやコントロール不能になっている。
彼らはアメリカで、「強制連行された朝鮮人慰安婦はホロコーストと同等の人道に対する罪である」と主張。ニュージャージー州、ニューヨーク州などに「慰安婦の碑」が設置され、「日本軍は性的奴隷(Sexual Slavery)にするため20万人を超える少女を強制動員した」というような全く事実に基づかない話が広がっている。
7月30日には、カリフォルニア州グレンデール市に慰安婦記念像が設置されたが(7月31日付msn産経ニュース参照)、この件は様々な問題を顕在化させた。
8月1日付msn産経ニュースによれば、像の設置をきっかけに、当地の日系人は、「日系の子供がいじめられたとの噂を聞いた」、「日系企業の進出が妨害される」というような不安を抱いているという。
また、グレンデール市は東大阪市と姉妹都市関係にあるのだが、グレンデール市のウェブサイトには像設置の背景として、「姉妹都市が碑や記念物の設置に興味を寄せていると表明した」、「維持費は姉妹都市により賄われることを保証する」などと記述されていたという。
これに対して東大阪市は、野田市長名の抗議文を7月25日付でグレンデール市長宛てに郵送し、「このような意見表明をした事実はない」と修正を求めるとともに、「像設置は市民の心証をいたく害しており、誠に遺憾」としているという(8月2日付msn産経ニュース)。韓国は世界水泳を誘致するための文書すら偽造して恥じることのない国とはいえ(7月22日付livedoorNEWS参照)、あまりに日本は舐められている。
さらには、グレンデール市での慰安婦記念像の除幕式では、安倍首相をナチスになぞらえるような写真を掲げる韓国系と思われる人物まで現れた(以下の画像参照)。
これを見て異常だと感じない日本人はいないだろう。戦後何十年にも亘って、日本政府及び国民は韓国による「言いがかり」に対して鷹揚過ぎた。韓国併合に対する負い目、反日勢力による活動などによってそうした態度を取らざるを得なかったのかもしれないが、それによって日本人の名誉が汚され、日系人は身の危機すら感じるような状況を招いてしまった。駄々っ子レベルの韓国側の主張に対して「大人の対応」をしてきた日本ではあるが、さすがに堪忍袋の緒が切れて当然だ。
8月2日付産経新聞社説は、「慰安婦問題で沈黙することは、韓国側の一方的な言い分を認めることになりかねない。曲解を正すため、日系人も含め官民あげ、あらゆる機会を捉えて史実に即した発信をしていくことが必要だ」と主張。
また読売新聞も8月1日付社説で、「そもそもいわゆる従軍慰安婦問題が日韓間の外交問題に浮上したのは、92年のことだ。朝日新聞が『日本軍が慰安所の設置や、従軍慰安婦の募集を監督、統制していた』と報じたのが発端」であり、その際「政府は徹底的に調査したが、日本軍による強制連行を裏付けるような文書は発見できなかった」と説明。
そして、韓国系アメリカ人による「米下院も欧州議会も慰安婦問題で対日批判決議をした」、「日本政府も河野談話で強制連行を認めた」との主張について、「河野談話を慰安婦強制連行の論拠にしているのは間違いない」としたうえで、「…(日本は)強制連行の有無に関しては、正確な事実関係を示し続けていくべきである。日本側は慰安婦問題での対応について、内外に丁寧に粘り強く説明していくしかない。英語による発信が特に重要だ『性奴隷』との曲解を是正するためにも、20年前の河野談話の見直しが欠かせない」とし、同談話を批判している。
毎日新聞の8月4日付社説は、河野談話肯定の立場から、「今回、米国で像が建てられたのは、日本政府が国際社会に、こうした河野談話やアジア女性基金などの説明を十分にしてこなかったという、外交発信の失敗も大きい。今からでも遅くはない。民間有識者らも巻き込んで、理解を得る取り組みを強化すべきだ。同時に韓国側にも冷静な対応を求めたい」と主張。韓国側の視点からのみ従軍慰安婦を見る毎日としては、精一杯の論評だと「評価」したい。
さて、読売などから「従軍慰安婦『問題』の元凶」と名指しされている朝日はどうか。慰安婦像設置を他紙と比べて圧倒的に少ない回数でストレートニュースとして報道したのみであるのを見ると、特に今回のグレンデール市での出来事に関心はないようだ。さすが朝日、「ブレない!」(笑)。
この問題を解決するためには、以前も本ブログの記事で主張させていただいたように、強制連行を証言した元日本軍人、朝日新聞関係者、福島瑞穂氏など慰安婦側の弁護士、そして河野洋平氏などの政治家を証人喚問して事実を解明し、それを海外に積極的に発信していくしか方法はない。それが軋轢を生むとしても、日本と日本人、さらには日系人のためにはどうしても必要なことだ。
悪い意味での関連情報として、日本の大手メディアではほとんど報道されていないが、自虐組織(あるいは在日による組織か)・日本軍「慰安婦」問題解決全国行動という団体が、従軍慰安婦だったと主張する金学順氏が初めて公の場で自身の「経験」について発表を行った8月14日を国連の記念日(言わば「従軍慰安婦記念日」)にするためのキャンペーンを行っているらしい(8月8日付聯合ニュース、及び「8月14日を国連記念日にしよう!」キャンペーンfbページ 参照)。
日本政府がどれほど危機感を持っているのか分からないが、韓国政府による「工作活動」は今この瞬間にも着実に成果を上げている。そのことを一人でも多くの日本人が認識し、政治家に働きかけていかなければ、将来的には在外日本人、あるいは日系人だけではなく、観光旅行に出かける日本人までもが、外国人からいわれなき中傷を受ける恐れがある。
宮澤・河野の尻拭いはもう勘弁してもらいたい。自ら積極的に発信しなければ、決して国際社会に理解してもらうことなどできない。「敵」は「嘘も百回つけば真実になる」と考えているような連中だ。奥ゆかしさは日本人の美徳ではあるが、もうそんなこと言っていられる状況ではない。
最後に、日本人への追い風の話をひとつ。'OINK'という英語をご存じだろうか。「ブーブーという豚の鳴き声」という意味だが、同時に'Only in Korea'、つまり韓国でしか起こることのないあり得ない出来事、あるいは豚の鳴き声レベルの韓国人によるまともではない戯言という風にも使われる。英語ができる方は'Only in Korea'で検索していただくと、英語圏の人たちによる面白い韓国描写を見ることができる。
この言葉を紹介したのは韓国人をバカにしたいからではなく(まぁ、それも少しあるが…)、韓国人による行動を異常だと感じているのは日本人だけではなく、欧米人も同様であることを知っていただきたかったからだ。それを踏まえれば、日本がきちんと河野談話を見直し、その結果を世界に発信していけば必ず国際社会から理解は得られる。これまでの、この問題における日本に対するマイナス評価があまりに大き過ぎるので時間はかかるだろうが。
最初は激しい批判に晒されることも予想されるが、戦略的、かつ(日本人の長所である)誠意ある対応をしていけば必ず道は拓ける。日本人が考えている以上に、日本と日本人は世界で尊敬されている。安倍内閣こそ、日本と日本人が戦後背負ってきた(あるいは反日勢力によって背負わされてきた)重荷から解放してくれる希望であると信じている。
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