WBC次の対戦国・台湾 ‐北東アジア唯一の「友人」を大切にしよう‐
(台湾「国旗」 写真はWikipediaより)
ちょー野球ファンの僕はWBC観戦のため、最近ブログ更新が疎かになってしまっていた…。反省…。
ところでそのWBC。2月5日に行われた台湾・韓国戦には、日本の野球ファンの誰もが注目したことだろう。もちろん、2次ラウンドでの対戦相手がどこになるのか、という意味で注目した方もいただろうが、韓国の1次ラウンド敗退を願って注目した方も多かったと推察する。
というのも、第1回、第2回のWBCにおいて、日本はいずれも世界チャンピオンになったものの、韓国には常に嫌な思いをさせられてきたからだ。第1回大会の時、イチロー選手の「(相手国に対しては)これから30年間は日本に勝てないことを思い知らせたい」という発言を、勝手に反韓国発言と捉え大バッシング。また、日本が優勝しても、韓国に何度も敗れての結果であることを踏まえ、日本以上にレベルの低い同国のメディアは「誇れない優勝」などと報道。
第2回大会では、第2ラウンドで韓国が日本を破った時、韓国代表選手はマウンドに太極旗を立て、勝利を喜んだ。国旗を立てるということは、そこが自国の領土であると誇示する行為であることから、これには内外から批判が噴出。まぁ、韓国の民度では、その程度の批判は何とも感じなかっただろうが。
僕は小さい頃から王さんに憧れ(その点でも台湾にシンパシーを感じている)、長い間野球を続けた。そうした野球ファンにとっては、野球の世界大会で日本が優勝することなど夢のようなことだった。様々な面で批判のあるWBCではあるが、日本が連覇したことを、野球ファンとして本当に誇りに思った。
そうした喜びを半減させるのが韓国の存在。彼らが絡むと勝っても負けても嫌な気分になる。これは、他のスポーツでも同様だろう。オリンピックの男子サッカー、韓国代表の朴鍾佑選手による「事件」などはいい例だ。
台湾、そしてオランダのおかげで韓国が消えた今回のWBCでは、嫌な思いをせず野球に集中できる。3回目にして初めて純粋に野球を楽しめる喜びは、言葉では言い表せない。ありがとう、台湾、オランダ!!
ひとつ日本人野球ファンに良いニュースがある。上述、5日の韓国戦の後、球場では、台湾の第2ラウンドでの健闘を祈る壮行セレモニーが行われた。セレモニーでは台湾の選手や関係者がマウンド場に整列したのだが、整列する選手たちの足に隠れて見えなくなったマウンドで、林智勝選手がしゃがみ込み「※台湾国旗(青天白日満地紅旗)」を立てた。決して目立たせたのではなく、立てられた旗はわずか20秒ほどで抜き取られた(本日付Searchina参照)。以下にその映像を添付する。
※台湾は「国家」として認められていないので、正確には「国旗」ではないが、ここでは敢えてそう呼ばせていただく。
。
まさに'Good Job'林選手!上述のように、日本が韓国から受けた屈辱を知っていて、韓国に対する皮肉を込めた行動だったようだ。しかも目立たずにこっそりとやってくれたのが憎いねー!ありがとう、林選手!!
昨日、日本がキューバに敗れたため、2次ラウンドの初戦で台湾と対戦することになったが、一発勝負ではないので、是非、台湾と共に準決勝に進みたいものだ。
と、台湾に対して感謝の念を抱いていたところ、産経新聞が本日付の社説で、「震災式典 台湾の指名献花は当然だ」との論説を掲載した。今月11日に行われる政府主催の東日本大震災2周年追悼式典で、国名を読み上げる指名献花の列に台湾代表を加えることが決まったというのだ。
「昨年の式典では、当時の野田佳彦政権が台湾を指名献花からはずし、日本人として恥ずかしかった。中国への過度の配慮がにじんでいた。台湾をきちんと処遇する安倍晋三政権の是正措置を評価したい」としているが、全く同感だ。
同社説でも触れられているが、台湾は震災直後、積極的に日本への義援金を募ってくれた。義援金を集めるためのチャリティー番組まで放送してくれ、それには馬英九総統も参加し、台湾の皆さんに募金を呼び掛けてくれたのだ。当時そのことをニュースで知った時は、本当に涙が出るほど嬉しかった。結果として台湾からの義援金は、世界で最も多い250億円にものぼった。
それほど日本を想ってくれている台湾を、中国のご機嫌取りに必死の左翼民主党政権は冷遇した。
菅内閣は東日本大震災から1カ月後の4月11日、海外からの支援への菅直人首相(当時)による感謝のメッセージを盛り込んだ、漢字で「絆」、英文で「絆に感謝します」と題する広告を世界の主要紙に掲載した。内容は、「世界中からの支援に対し日本国民を代表して心から感謝を申し上げます」というもの(以下の画像参照)。
ところが掲載されたのはアメリカのThe Wall Street Journal、International Herald Tribune、イギリスのFinancial Times、フランスのLe Figaro、中国の人民日報、韓国の朝鮮日報、ロシアのコメルサントのみであり、台湾の新聞が1紙も含まれていない。最も多くの義援金をいただいたにも関わらず、である。しかも上述のように、震災1周年追悼式典においても、台湾は指名献花から外された。
これらは本当に恥ずべき行為であった。世界から、「礼儀正しく、真面目で義理堅い」と評価されている日本人の評判に泥を塗る愚行だったと言っていい。
上述の社説で産経が、「そうした台湾の人々の善意を無視するかのように、日本側が式典で台湾の代表を冷遇したのは、国家としての品格が問われる失態だった。2度目の追悼式典は日本が1年遅れで感謝の思いを示す場だと心得なければならない」と主張するのは、至極当然だろう。
中国、韓国、北朝鮮といった、考えるだけで憂鬱になるような国々に囲まれた日本。そんな北東アジアにあって台湾だけは日本の「友人」でいてくれる。もちろん尖閣始め、日台間にも問題はある。しかし、「反日」を前提として日本と接する上記3カ国と台湾とは、日本にとって全く異なる存在である。
日本の良き友であり、公正な選挙によって国の指導者が選ばれる民主主義国である台湾が、中国による「台湾は中国の一部である」という主張により、日本を含む、世界のほとんどの国から国家として認められていないことは、とても悲しい現実だ。
香港、マカオを取り戻した中国は、必ずいつか台湾を「併合」しにくる。現状ではアメリカがそれを許しはしないが、軍事的・経済的に急速に台頭してきた中国によって、北東アジアのパワーバランスがこれまでとは大きく変われば、いつ台湾海峡で不穏な動きがあってもおかしくない。
一党独裁の共産主義国家による民主主義国への侵略。そのようなことは決して許されない。日本にとっては、今話題になっている「集団的自衛権」とも関わってくる問題だが、同じ民主主義国であるアメリカ、そして日本には、台湾を見捨てるという選択肢はない、と僕は信じている。それが、これはど日本を想っていてくれる台湾に対する「信義」なのだと思う。
話はまたWBCに戻るが、台湾は「チャイニーズタイペイ」という、普段聞くことのない名前で本大会に参加している。これはWBCに限らず、オリンピックをはじめとした国際スポーツや国際機関など、国際的な場で用いられる台湾(中華民国)を指す呼称だ。
これもまた中国との関係によるもので、国際的な場面では、「台湾」という名称も、上記写真で示した「台湾国旗」も使うことが許されない。台湾の中でも意見は様々だが、現状では、多くの台湾人は国際舞台において、「台湾」という名称、及び「青天白日満地紅旗」を用いたいと考えていることは間違いない。
中国と台湾との長きに亘る複雑な関係については、また稿を改めて議論するとして、今はWBC!
明日の夜、東京ドームで2次ラウンドでの日本の初戦として、対台湾戦が行われる。親台派の僕ではあるが、こと野球となれば譲れない。両チームにはフェアなゲームをしてくれることを期待しているし、そうなるだろう。韓国戦とは違い、勝っても負けても不必要に嫌な気分になる心配はない。
ここから先は強豪国ばかりなので、どこが勝ってもおかしくない。ただ、願わくば、決勝で台湾と対戦したいものだ。中国のために、国際社会では「日陰者」にされている我が朋友に、是非とも世界の多くの方々の注目が集まれば、と期待しているからだ。両国の健闘を心から祈る。
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大変な試合でした。
日本チームも
台湾チームも
素晴らしい試合をしたと思います。
WBC:【日本・台湾戦速報終了】日本が4−3で延長の死闘制す
2013年03月08日
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ありがとうさん、こんばんは。
鋭いご指摘、ありがとうございます。その通りなんですよね。でも、「千年恨み続ける」という主旨のことを大統領が言ってしまっては、なかなか「普通」の関係にはなり得ませんよね…。
隣人を選べずに苦労するのは、人と人とに限らず、国と国との関係でも同じだと考える次第です…。
投稿: Mich | 2013年3月 9日 (土) 20時43分
Ayakikkiさん、こんばんは。
僕は、ちょーーー野球好きなのでWBCは見逃せません!鳥谷選手の盗塁も見事でしたが、やっぱり「職人」井端選手、すごかったですね。
日本と台湾とは、もともと暗黙の「相思相愛」でしたが、WBCを通じて一層絆が深まったように思え、親台派の僕としてはとても嬉しいです。
現在キューバと対戦中の台湾は3対0でリードされていますが、何とか逆転勝ちしてもらい、再戦を見たいですね。
投稿: Mich | 2013年3月 9日 (土) 20時34分
Thank you for your comment, 從台灣來的朋友-san!! It's ME who has to say thank you. I mean, although Taiwan couldn't win the game, both your national team's and supporters' manner was superb. Many Japanese must be impressed with it. I also appreciate your support you gave us after the earthquake occurred.
We're looking forward to having a game with you again!! Thank you!
Mich
投稿: Mich | 2013年3月 9日 (土) 20時24分
そもそも旧植民地国とその旧宗主国との関係は(独立直後はともかく)良好なのが普通ですよ。インドとイギリス、フィリピンとアメリカ、南米諸国とスペイン等々、数え挙げれば切りがありません。世界的に見れば日台関係の方が普通で日韓関係の方が異常でしょう。
投稿: ありがとう | 2013年3月 9日 (土) 20時08分
◇名勝負…でしたね!
うっかり忘れていたのですが、ニュース番組を自動録画設定していたので、偶然8回表の井端選手からの反撃シーン以降を全部録画で見る事ができました。。。(超ラッキー!)
o(*^▽^*)o
両チームの「熱い想い」がひしひしと伝わってくる、名勝負でしたね。
台湾チームが敗者復活で勝ち上がって、2R決勝で再戦になると良いですね!
今度こそ忘れずに、全試合を最初からリアルタイムで見ようと思います。
投稿: Ayakikki | 2013年3月 9日 (土) 15時41分
I'm a baseball fan from Taiwan. Please forgive me for not writing in Japanese. Thank you for the kind words. It was a good game tonight between the Japan team and the Taiwan team. Let us both do our best to enter the semi-finals and finals as friends of Asia. Best of luck to Japan.
投稿: 從台灣來的朋友 | 2013年3月 9日 (土) 05時27分