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2012年11月 4日 (日)

We ARE 'Swing Citizens' but... -バカな有権者がバカな政治家を選んでいると言われないために-

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この1週間、永田町とその周辺に群がるメディアにおいては、解散はいつになるのか、そして第3極は連携できるのかという議論で喧しい。

まずは解散について。自民党は、何が何でも解散に追い込むという「北風路線」から、安倍総裁が11月1日、特例公債法案の審議に応じるなど、野田首相が解散のための環境整備として求めている3つの懸案に前向きな「太陽路線」へと舵を切ったと伝えられている(11月2日付FNNニュース参照)。

この方向性には大賛成だ。以前の記事で、「増税しないという公約を破り、低支持率にあえぐ、つまり国民に信頼されていない現政権が来年度予算を編成することについては、僕も石破氏同様絶対反対だ。自民党としては異論はあるだろうが、特例公債法案、定数削減法案を速やかに成立させ、解散総選挙への道筋をつけるべきだと考える。それでも野田首相がその座に居座ろうとするのであれば、その時は国民が味方をしてくれるはずだ。国民も馬鹿ではない」と主張させていただいたように、安倍自民党は王道を歩めばいい。

野田首相が10月31日の衆院代表質問で、「特例公債法案の成立」、「衆院選挙制度改革」、「社会保障制度改革国民会議設置」というこれまでの、解散前に成し遂げたい政治課題に加えて、経済対策の実施に言及し、野党からは「四つ目の条件が出てきた」という反発が出た。しかし、首相は当該経済対策について、「政権を預かっている以上、その都度やらなければならないことがある。解散のための前提条件ではない」と述べ、衆院解散の新たな条件とする見方を否定した(11月2日付YOMIURI ONLINE)。

鳩山氏、菅氏というようのな得体の知れない政治家とは違い、野田氏は最低限の良識を備えている政治家だと思えるので、この展開は同然の帰結であると思う。

次に第3極の連携。橋下氏と石原氏が「連携」(そもそもこれがどの程度の繋がりなのかよく分からないが)しようが、民主党が少しばかり支持率を回復しようが、次期総選挙で自民党が比較第一党になることはまず間違いない。とすれば、憲政の常道からいって安倍総裁が首相となるわけで、第3極ができることは、彼らが主張する政策を実現するため、いかに腹を割って安倍さんと意志の疎通を図り、共通認識を持つことができるのか、あるいは国民の支持を背景としたプレッシャーを自民に与え、それを成し遂げるのかの二者択一でしかない。それこそ、太陽か北風かである。

今日も石原氏と橋下氏の連携を探る会談が長時間に亘って行われたようだが、橋下氏は、石原氏との信頼関係を前提としつつも、「大変失礼ですが、たちあがれ日本とは色が違う。真正保守ですべて決定するのではなく、合理的に物事を決めたい」としている(11月3日付YOMIURI ONLINE参照)。

繰り返しになるが、第3極が連携できたとしても総理の地位を得られる可能性は低い。ただ次期総選挙において、総理の地位を獲得できる議席を得られなかったとしても、間違いなく相当存在感のある勢力になるだろう。

過半数を得られない与党に対しての有力野党というポジションは、実は政権内の少数派よりも大きな力を持ち得る。そのアドバンテージを利用して、官僚制度改革でも、憲法改正でもイニシアティブを握ることは可能だ。自民党総裁が安倍氏であればなおさらだ(安倍氏が与し易いという意味ではなく、安倍氏の思想との調和性が高いと言う意味で)。

橋下氏も石原氏も、一定の規模の勢力を持って彼らが掲げる政策を実現したいと考える気持ちは理解できる。しかし、「野合」によって無理にまとまることに拘泥しなくとも、上述のように彼らの目指すところを実現することは可能だ。

合衆国大統領選挙において、選挙の度に共和党・民主党の間で勝利政党が変動する州を'Swing State'と呼ぶ。今の日本国民の大半は'Swing Citizen'なのだ。つまり、その時々の「風」に流されやすい。それでいながら、自身が投票した候補、あるいは政党が短期的に自身の欲求を満たしてくれないと、安易に批判勢力へと転じる。我々有権者は、そうした自分たちの無責任さを認識しつつ、責任を持った投票行動を選択しなくてはならない。

「民度以上の政治は行われない」とよく言われるが、それは半分正しくて、半分は間違っているのだと思う。いくら民度の高い人々が選んだ政治家であっても、彼らが詐欺師であるということもあり得るわけだから(e.g. 現在の民主党政権)。それでもやはり半分は、我々有権者の責任であるということもまた事実であろう。そうであれば、有権者は、特に衆院選に際しては乾坤一擲で投票をしてはならない。現実的、かつ理性的な判断のもと投票する義務がある。なぜなら、民主主義は政治家が作るものではない。我々国民が作るものだからだ。

我々有権者はバカではない。必要十分な情報が与えられていない、あるいはそれを咀嚼する余裕がないだけだ。もっと政治に興味を持ち、自身の思いを様々な局面で主張しましょう。これほど自由な民主主義国に生きていながら、その権利を行使しないということは、表現の自由すら認められない国家の市民から見れば犯罪的行為とすら思われるかもしれない。まずは国内で、そしてやがては世界の民主主義に寄与できる日本人になりたいと僕は思う。

アポロ11号によって、人類で初めて月面にその足跡を記したNeil Armstrongは、"That's one small step for man, one giant leap for mankind"(これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である)と語った。今我々が投じる一票は極わずかな政治変革への意思表示ではあるが、それが未来の日本人にとっての偉大な一票になり得ると信じよう。


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