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2012年11月 7日 (水)

オバマ氏アメリカ大統領に再選 -世界を安心させたアメリカ国民の選択-

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(写真はThe New York Timesより)


世界から注目されていたアメリカ大統領選挙において、現職のオバマ氏が再選を果たした。昨日の記事で、世界はオバマ氏を支持している旨記させていただいたが、この結果には世界がホッとしていることだろう。

「州知事出身の共和党候補が大統領になると、世界にとってろくなことはない」というのが僕の持論だ。前大統領のジョージ・W・ブッシュはアフガン戦争イラク戦争によって「主権国家」の権利をズタズタにした。

それは例えるなら、アフガン戦争は、日本の過激派がアメリカでテロによって多数のアメリカ人を殺害したので、日本を爆撃する。イラク戦争は、日本の指導者が大量破壊兵器を保持している「疑い」があり、人権侵害を行っているので、日本の首相を排除し、アメリカが「正当」な民主主義を確立する。まぁ、こんな感じだろうか。アメリカの傲慢さの表れと言うか、国際ルールを無視した暴挙であったと言えるだろう。

その前の「州知事出身の共和党米大統領」はロナルド・レーガン。彼は、クーデタによって政権を奪取したチリの軍事独裁政権のリーダー、アウグスト・ピノチェトを「友人の中の友人」と呼んだ。また、彼の在任中には、グレナダ侵攻イラン・コントラ事件レバノン内戦への干渉など、様々な軍事行動が行われたが、いずれもアメリカのダブルスタンダード、他国への主権侵害などを象徴する出来事であった。

極めて乱暴な言い方をすれば、共和党は軍産複合体と密接な関係を持っているので、大統領の座を占めた場合には、戦争を起こして軍需産業を儲けさせてやらないと、様々な選挙において票の確保がままならない。それが、共和党出身、特に外交を知らない州知事出身者が大統領になった場合、世界に波風を立てる原因であると僕が考える所以である。

とは言え、オバマ氏が世界平和を推進できる人物なのかと言えば、それもまた疑問だ。特に中東和平に関しては、アメリカが調停役となって問題解決を図ることは決してできない。彼自身は和平の進展を望んでいたとしても、アメリカにおいては、ユダヤ人は金も票も握っているので、共和党であろうと民主党であろうと、その力を抑えることはできない。

それでもロムニーが大統領になっていたとすれば、上述の要素、及びその外交における無知ゆえ、おそらくはもっと悪い未来が待ち受けることになっていただろう。

再選されたとはいえ、オバマ氏はアメリカ経済再生という大きな課題を背負っている。まずはそこが、アメリカ国民から求められている一番の課題なので、それに相当の力を注がざるを得ないだろう。そのため、例え世界平和を強く希求するオバマ氏と言えども、当面はその理想に向けた積極的なアクションは起こせないと思う。

しかし、「再選のため」の4年間を終えたオバマ氏は、「歴史に名を残す」次の4年間を得た。そう考えれば、ノーベル平和賞を受賞したオバマ氏であれば、歴史に名を残すような世界平和への貢献を成し遂げ得るとも考えられる。

オバマ氏にお願いしたい。まずはアメリカの利益を考えるのは合衆国大統領として同然のことではあるが、その枠を越えて、世界をさらに平和にするための尽力も同時に行ってほしい。バラク・オバマという人物は、それができる人物であると僕は期待している。

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