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2012年11月22日 (木)

野田首相へ 世襲の何が問題なのか? -それほど拘るのなら説明責任を果たすべし-

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(写真は政府インターネットテレビより)


民主党の羽田雄一郎国交相(参議院議員)は、同党の公約である「脱世襲」を尊重し、引退する父・羽田孜元首相の後継として目指していた、衆院長野3区からのくら替え出馬を断念した(11月21日付YOMIURI ONLINE)。

羽田氏の例に代表されるように、総選挙を間近に控えた現在、世襲に関する議論が喧しい。これはひとえに野田首相が、何とか自民党との差別化を図ろうと、18日に「脱世襲は貫徹をする」と記者団に明言したことによる。

引退する孜氏の後援会・千曲会によると、民主党のマニフェストでは世襲が禁じられていたため、千曲会は党本部に、雄一郎氏がくら替えした場合は抵触するのかを再三確認してきた。 しかし回答はなく、党内で議論された形跡もないところに、突然の野田氏の脱世襲宣言。千曲会の北沢寛和幹事長の「参院で3期の経験があり、単純な世襲とは違うはず。説明もなく、完全に自民党との違いを示す象徴にされた」(11月21日付msn産経ニュース)というコメント聞くと、いかに野田首相の「脱世襲」が付け焼刃であるのかよく分かる。

そもそも政治家の世襲は悪いことなのだろうか?

まず、世襲が批判される一番のポイントは、世襲政治によって政治が「家業化」し、政治家と縁戚関係にない新しい人材の立候補を妨げる結果となるということ。これは一見もっともな主張のように思われる。

昨夜のフジテレビ・ニュースJAPANでも世襲問題が取り上げられており、コメンテーターもこのような点を指摘していた。彼の意見は、「政治は事業とは違うし、政治家は公人。また、政治家の後援会が既得権益となっている」という主旨のもので、世襲には批判的なコメントであった。

しかし世襲政治家をサポートする考え方もある。親が政治家であるため早くから政治に目覚め、政治を学ぼうとする姿勢を持つ可能性が高い。また、親の秘書を経て政治家となるケースが多いので、議員になる前に政治の実務を理解したうえで政治家となるため、全くの素人よりは、はるかに即戦力として期待できる。

脱世襲の批判に関して、自民党安倍総裁は11月21日の自身のFacebook上で、安倍氏のもとを訪れた、拉致被害者・有本恵子さんの父、有本明弘さんの考えを紹介している。「細野政調会長が安倍さんの事を『世襲議員だ!』と言って批判をしていたけれども、一体何を考えとるんや!俺が政治家に求めとる事は『誰が恵子を助けてくれる為に頑張ってくれてるか、誰が北朝鮮としっかりと交渉してくれるのか』や!…政治は政策や結果やないか!我々が政治家に求めているのは結果であって、その親父が議員であるかどうか全く関係ない。そもそも、そうやって批判している細野豪志政調会長は拉致問題の為に一滴たりとも汗を流していないじゃないか!」。

また、安倍氏自身は世襲について以下のようにコメントしている。「わたしの様に父親が政治家、まして有名な政治家であれば、最初の選挙が有利であるのは事実であり、その事に謙虚でなければならないと胆に銘じています。しかし大切な事は『プロセスが開かれているかどうか』ではないでしょうか。そして選挙で問われるのは、政治理念であり、政策であるべきです」。

解散前、自民党衆議院議員のおよそ4割がいわゆる世襲議員だったという事実は、確かに少し「異常」といえる数字かもしれない。しかし結局のところ、議員を選ぶのは有権者である。上述のコメンテーターが「公人」という言葉を使っていたが、まさに公人であるが故、選挙の洗礼を受け、初めて公職に就くことができるのだ。北朝鮮で起こっているような世襲とは全く違う。公正な選挙により、結果として世襲議員が増えているのだということを忘れてはならない。

よって、僕自身は世襲議員を否定しない。ましてや、自民党は選挙区の候補選定において、現在は公募制を採用している。公募であっても、結局は世襲する候補が有利だとの批判もあるが、少し前、テレビの報道番組で、自民党の菅義偉幹事長代行は、今回の総選挙において、世襲候補は同党公認候補全体の1割以下だ、と説明していた。

自民党もバカではない。いくら現職議員の子が有利だといっても、そうそうボンクラばかり公認していたのでは党の存続が危機に瀕する。

ただし、世襲に関して、改めなければならないことがあることも事実。例えば、有力議員が、選挙の直前になって引退を表明することにより、公募制が有名無実のものとなり、事実上、その議員の子が後継者となるようなアンフェアな手法。

また、現行、世襲の場合は、政治家の資金管理団体を実質無税で相続できることも大きな問題だ。この点は、他の民間団体の資本金相続と同様、相続税の納税対象すべきだろう。

繰り返しになるが、候補者の当落を決めるのはあくまで有権者だ。どうしても世襲候補が嫌であれば投票しなければいいし、世襲には拘らず、人物、政策、あるいは所属政党次第と考えて投票するのもいい。それは僕らが決められることであるし、自分の価値観に基づいた投票行動を取ればいい。

明治学院大の川上和久教授(政治心理学)は「世襲は確かに弊害もある。ただ、最近の選挙では風次第で世襲の影響も吹っ飛ぶ。重要なのは個人の資質であり、有権者への説明責任を果たしているかだ」とコメントしている(上記msn産経ニュース)。この辺りが常識的な考え方ではないだろうか。遮二無二世襲議員を排除する必然性は全くないと考える。

観念論的な、野田首相の「脱世襲」など、選挙目当てのパフォーマンスであることは、有権者は当然見透かしている。どうしても世襲がだめだと言うのであれば、具体的実例を示して世襲の弊害を指摘すべきだ。

首相が掲げた「争点」なのだから、その説明責任は当然首相にあるということをお忘れなく!


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コメント

こんばんは、Ayakikkiさん!ご指摘のとおり、世襲を法的に規制することは、憲法に抵触する可能性がありますね。自民党との対立軸を作りたいのは分かるのですが、野田首相の「脱世襲」は、何となく特権階級のような人が妬ましい、といった情緒的な批判を扇動するものであって、論理的でないんですよね。自民党批判に必死ですね、野田さん。

◇「逆差別」だと思います
親が政治家であるか否かは、ご当人に選択の余地が無いですからね。
これで立候補から排除されるのは、「機会平等」の原則に反する「憲法違反」だと考えます。

しかし、「フェアな選挙」の担保が必要である事も事実。

> 世襲の場合は、政治家の資金管理団体を実質無税で相続できる
このご指摘は、大変勉強になりました。
確かに、制度上の問題点は多々検討の余地がありそうですね!

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