田中文科相は「間違ってない」と藤村官房長官 -真紀子もひどいが藤村のバカさ加減-
(写真は日刊アメーバニュースより)
田中文科相が3大学の新設を不認可とした問題は、11月7日に同氏が一転して「認可する」としたため、一応の鎮静化をみた。
一般的な受け止め方としては、「大学が全国で約800校ある中、大学教育の質が低下している」「大半の審議会委員が大学関係者で、大学同士が互いに検討している」などの主張自体は間違っていないが、その手法は大いに問題だ、というところに落ち着いているようだ。
確かに少子化という現実の一方で大学の数だけが増えることによって、定員割れの大学、経営が悪化している大学が激増していることは事実。また、御用学者中心に構成された審議会は、官僚のアリバイ作りに過ぎないので存在価値なし。そして何より、重点投資などの理念がないまま、ほぼ一律に私立大学に、国、あるいは地方自治体が補助金を支出するのは、現在の厳しい財政状況の中、極めて疑問である。その点において、田中氏の主張には賛成する。
しかし、である。この人は相変わらず正確な知識を持たず、先の見通しも立てずに思いつきで「暴走」して周囲を振りまわす。現在の大学認可のシステムに問題があることは、多くの人が認識している。それに対して強い改革の意志があるのであれば、来年度から新たな考え方に基づく施策を実施すればいい話だ。何故なら、今年度に関しては、事実上認可と同様な状況にあったわけで、「談合」を進めてきた文科省に責任があるからだ。
とりわけ今回の問題において許されないのは、当該大学への進学を考えていた子供たちを巻き込んだこと。数日で不認可の方針が撤回されたとはいえ、その間彼らはどれほど不安な思いをしたことか。明日の日本を背負っていく子供たちを育てるのが仕事であるはずの文科省が、子供たちを傷つけてどうする。本当に腹立たしい。
加えて、田中氏が自らの「失策」を棚に上げて、3大学に関して、「今回(の騒動が)逆にいい宣伝になって4、5年間はブームになるかもしれない」(11月7日付msn産経ニュース)と述べるに至っては、この人物は大臣、議員である資格がないのはもちろん、「人間失格」である。安倍自民党総裁が、「常人ではない」としたのはまさに正鵠を射ていたと言うべきだろう。
以前の記事で指摘させていただいたとおり、こんな人物を大臣にすること自体が間違いであり、その点で野田首相の任命責任は厳しく問われなければならない。この内閣では、田中慶秋法相が既に事実上更迭されていることを考えればなおさらだ。
ただ、田中氏が問題を起こすことは「織り込み済み」であったので驚くには値しないが、それに関しての藤村官房長官の発言には、呆れて言葉も出ない(とは言え批判させていただくが)。
藤村氏は8日の記者会見で、田中氏が引き起こした一連の問題に関して、「閣僚として間違ったことをしたとは多分誰も受け止めていない」と述べ、田中氏を擁護した(11月8日付msn産経ニュース)。この人はテレビ・新聞などのニュースを見ていないのだろうか?不認可とされそうになった大学関係者、生徒、そしてその父兄の怒り、落胆を認識していないのだろうか?おそらく、「国民の気持ちが分からない民主党の政治家は誰も」という意味なのだろう。
この藤村氏の発言の本旨は、決して田中氏を擁護するためのものではない。それもあるだろうが、田中氏が、今回の決定は独断ではなく、事前に藤村氏と野田首相の了承を得ていたものだと記者団に話したため、自己保身、そして首相に火の粉が降りかからないためのものだ。
とここまで書いて筆を止めていたところ、本日、田中文科相が一連の問題について、「結果として関係者にご心配、ご迷惑をおかけし、心からおわび申し上げます」と謝罪した(朝日新聞デジタル)。まぁ、田中氏が反省し、心から申し訳ないと思っているはずはないし、おそらくは予想外の事態に焦った官邸から相当の圧力がかかったのでしようがなく、ということだろうが、かたちだけでも謝罪したことは是としよう。
話を藤村氏に戻すが、田中氏が謝罪した今、彼女の行動を「閣僚として間違ったことをした」とは認識していなかった藤村氏はどう説明するのか。間違ったことをしていないのに大臣が謝罪するのは、全く筋が通っていないと考えるが、藤村氏はそれにどう答えるのか?現在のところ彼のコメントに関する情報は入手できていないが、非常に興味深いところである。
逃げずにちゃんと説明しろよ、藤村さん!!どうせ民主党お得意の詭弁で誤魔化すんだろうけどね。そして、その点、きっちり追及しろよ、記者クラブに守られたお気楽記者さんたち!!
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