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2012年11月17日 (土)

自民党安倍総裁の二つの顔 -守旧派か真の改革者か?-

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(写真は民主党ホームページから)


昨日、遂に衆議院が解散された。新党乱立で、混沌とした状況ではあるが、橋下氏の日本維新の会と石原氏の太陽の党が合流したことを受け、民主、自公、維新が中心となって選挙戦が展開されていくと考えられる。

昨夜の報道ステーションで、元経産官僚の古賀茂明氏が面白い解説をしていた。一つは今回の解散についての霞が関流の解釈。もう一つは安倍自民党総裁に関しての自身の考え。今日はそれについて議論してみたい

まずは今回の解散について。霞が関を熟知している古賀氏には、今回の野田氏による突然の解散は、財務省の振り付けである可能性があるという。財務官僚にとっては、消費税増税と霞が関利権の温存が至上命令。それ故、それらを護るため、選挙後の民自公協調を念頭に、野田氏に解散のシナリオを提案したのではないのか、というもの。

確かに民主党の大敗が確定的で、自民・公明合わせても過半数が取れないと考えられる現状を斟酌すれば、反野田の議員が去り、「純化」された民主と自民・公明という政権の枠組みは、財務省にとっては考え得る最善だと言える。そう考えると、一つの見方として、「財務省黒幕説」も真実味を帯びる。

ただし、これは自民党がかつてのように官僚の利権を尊重してくれるということが前提となり、それが古賀氏が語ったもう一つ、安倍氏の「本当の顔」がどうあるのかということに繋がる。

古賀氏曰く、安倍氏には二つの顔がある。一つは、彼よりさらに革新的と思われる石破氏を、最終的には「派閥」の支持を得て退けた自民党総裁選挙に見られる、守旧派としての顔。もう一つは、 小泉政権時代、改革派の官房長官として登場し、 自身の内閣で渡辺喜美氏を公務員制度改革担当大臣として起用した、政治の根本を変えようと考えた改革派としての顔。

古賀氏の推察としては、この二つ目の顔が、日本維新の会などの官僚制打破を目指す勢力と結びつけば、官僚にとっては悪夢であるという。

これは、まさに僕が安倍氏を支持できるのがどうかの分水嶺である。

安倍氏の、少なくとも今現在の心境が、政権を奪還するためには、自身の考えを押し殺しても、国民にとっては有害な、伝統的自民党思想を利用せざるを得ないということであり、その思想に基づいて政権運営をするというのであれば、僕が安倍氏を支持することはない。

一方、安倍氏が向う傷を恐れず、二つ目の顔を前面に出し、国民不在の官僚との妥協を一切拒絶する方向性を目指すのであれば、僕以外の全国民が彼を支持しないとしても、僕は最後まで彼を支持する。

官僚=悪と言っているのではない。彼らの能力の高さは身を持って理解している。ただ、彼らを、国民の犠牲のうえに聳える特権階級のままにしておくのは間違いだと言いたいのだ。

彼らの政策理解能力・立案能力は一朝一夕に得られるものではない。それほどの日本国にとっての「資産」である官僚を活用せず、馬鹿な政治家が権力を振りまわすのは、この国にとってマイナスでしかない。その意味では、民主党が考えていた「政治主導」など不可能な話だ。どの点においても、民主党の政治家が官僚を上回る能力を持っていなかったのだから。

また、能力のある官僚は、退官後も、その方が活躍できる場で、国家のために尽力していただくべきだと思う。しかし、十把一絡げで、高級官僚であれば誰でも退官後のポジションが保証されるというのは、全く合理的でない。能力のある者のみ責任ある仕事を任される。それは、ビジネスの世界と全く同様の発想であるし、それがあるべき姿だと考える。

古賀氏の言う安倍氏の二面性はそのとおりだと思うが、政界という、一般市民にとって理解不能な世界を遊泳していくには、そうした側面が必須なのであろうとも思う。

結論として、僕は今、安倍氏の政策を支持している。しかし、彼が古賀氏が指摘する守旧派としての側面を根本的な思想とするのであれば、自民党に投票することは絶対にない。一方、安倍氏の本意が、後者の改革者としての安倍晋三であるのなら、無条件に安倍氏を支持し、短期的にその成果が出なかったとしても、数年支持し続ける。

投票まで1カ月ある。その間に、安倍氏の目指すところがどこにあるのかしっかりと見極めたいと思う。しかし、本当に見極められるのかどうか、率直に言って自信はない。選挙前と後の政治家の行動は、全く違ってくるというのは常識だから(たとえそれが、一般市民の感覚とは乖離したものであったとしても)。

そうではあっても、僕自身最善を尽くして、決して民主党に騙された前回総選挙の二の舞を演じてはならないと心している。僕自身がそんな状況であるにせよ、拙ブログを読んでくださっている皆さんが最善の選択ができるよう、でき得る限り情報提供をし続けたいと考えている。

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コメント

Ayakikkiさん、こんばんは。いつもコメントをいただきましてありがとうございます。僕自身も直接安倍氏を存じ上げてはいませんが、様々なチャネルから得る彼に関する情報によって、相当な信頼を彼に寄せています。今回議論させていただいたのは、古賀氏のコメントから掘り起こした「安倍晋三論」であって、僕自身は、安倍氏が改革者であることを確信しています。

問題は自民党なのです。自民党が、改革者としての安倍晋三に付いていく準備ができているのか。安倍氏が改革を進めようとする時、後ろから鉄砲を撃つようなことはしないのか。その点が投票行動を決定するポイントであって、安倍氏に対しての信頼感は常に保持しているつもりです。

これほど安倍氏が有権者から支持されていることを、きちんと自民党全体が認識し、安倍氏に全てを委ねる体制をとれるかどうか。裁きを受けるべきは安倍氏ではなく、自民党という組織そのものだと僕は考えています。

◇「安倍総理」の実現を待ち望む者として一言

Michさん、こんばんは。
かなり力の入った「安倍晋三論」なので、少しビビリながらコメント致します。
私自身、ご本人と交流がある訳でもなく、単にマスコミの報道を素材にして脳内に作り上げたイメージで語る事なので、大した説得力など在るはずもありませんが、それでも「参考」になればと。。。

結論を先にすると、私の脳内の安倍氏は、「改革者>守旧派」な政治家です。
それは、彼の過去の政治活動のほとんどが「改革者」としての顔で、私の脳裏に刻まれているからです。
「自民党を破壊する」と叫んでいた小泉内閣の有能な官房長官時代の顔、そしてその後の正統派後継総理として大胆な改革を推進し、マスコミや守旧勢力の総攻撃を浴びて、短命政権に泣いた顔。

勿論、政界のサラブレットとして、紳士的で温和で協調性ある側面も見逃せません。
私は「日本の改革」を支持しますが、「革命」を待望する者ではないので、「独裁者」は許容できません。

結局、ご本人の「お人柄」を知る機会が無いので、彼の掲げる「政策」に熱い期待を寄せています。

■安倍晋三総裁街頭演説 熊本県・健軍商店街(2012 11 17)
 http://www.youtube.com/watch?v=kbrmVWVrF8o&feature=player_embedded

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